異文化ガイド

異文化について、英語、フランス語について書いています。フランス、ベルギーで15年以上暮らし、出会った人、見聞きしたこと、考えたこと。

2018年10月

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ヨーロッパでハロウィンといえば、お墓参りだった。

そのヨーロッパでも、一部のサッカーファンが羽目を外しすぎて周りの人達に迷惑をかけてしまうことなどがある。

だからサッカーなんて大嫌いだ、というヨーロッパ人もいる。
ヨーロッパの人なら皆サッカーが好きなわけではない。

人間というものは、年がら年中、四六時中、真面目にしていられるものではない。
どこかで羽目を外さないと持たないだろう。

要は、それが他の人の迷惑となるかならないか。

日本人はシャイだから、集団にならないと羽目を外せないということもあるかもしれない。
でも、実は羽目を外すのに群れる必要は必ずしも、ない。

例えば、アートの中に自分を解放する人もいる。

海外からやって来たあるダンサーが、日本でグループを作るに当たって嘆いていたことがある。

「みんなで集まった時何かが起こるには、一人の時に練習したり、考えたり、感じたりしていることが前提なんだよ。 
一人で何もしないでいて、みんなで集まりさえすれば何かが起こるとか、誰かが何かを与えてくれるとか思ってやってきても、何も起こらないよね。」

集団練習を休んだことがないからと言って、勤勉とは限らない。

頭の中は勤勉か?
感性は? 

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なぜここまで加熱してしまったのか?

と考えてみると、ハロウィンがかつての祭のような役割を担っているからかもしれない。
日本各地に残る奇祭とハロウィンの違いはなにかと言えば、祭には社会のコンセンサスがあるけどハロウィンにはない、この一つに尽きるだろう。

祭の役割の一つは、一年間真面目に働いてきた人たちが一年に一度羽目を外すことでもあった。
普段真面目に働いているからこそ、羽目を外す時は思い切り外す。

コンセンサスのない「祭」の真ん中に迷い込んでしまった軽トラックには心から同情する。
持ち主の方がきちんと弁償してもらえますように。

トラックをひっくり返してしまった人たちは、今頃我に返って青くなっているかもしれない。
みんなで盛り上がって我を忘れてしまうことを「集団心理」という言葉で心理学者は説明していたけれど、 日本社会で育った人達には、集団心理に陥りやすい人が多いようだ。

イジメの問題もこれと関係しているのだろう。

日本でも、何らかの意味でマイノリティの意識を持っている人は、「みんなの盛り上がり」に乗れないという経験があり、 集団心理に陥りにくい面を持っていることがある。

しかし、「みんな」に加われなかったからこそ、加われる場面では思い切り加わってしまうという人もいるかもしれない。

非行を激減させたある中学校の校長が言っていた。
人は一人でいる時に子どもから大人になるのだ、と。 
みんなでワイワイ言っているときに成長するのではない。

だが、授業が終わってからも夜7時近くまで学校にいて、週末も試合に出かけていくような生活の中で、個を養う時間がどれくらいあるだろう。
 
大人になっても個が成熟していなければ、集団の中で我を保つのは難しい。

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ノーベル医学生理学賞、2018年は本庶佑先生に決定。

昨夜その報せを告げるニュースを見ていて、気がついたことがある。

受賞した研究者があまりにも美男子であることだ。
まるで二枚目俳優。

(これまで受賞した先生方も、もちろん素敵なお顔をなさっていました、念のため。)

今76歳でこんなイケメンなら若かりし頃はさぞかし、と思った。 

今朝、若い時の映像が出て二度びっくり。

ふ、ふつーではないか。

そうか。 

遠い地平線を見つめるかのような眼差し、キリリと結ばれたくちびる、削ぎ落とされた頰。

今のあのお顔は、本庶先生の人生と共に作られていったものなんだ。

続いて仲間によって語られるエピソードは、それを物語るものだった。

時流に流されず、自分が知りたいことを追求する。
若い同級生の死の衝撃によって、ガン治療に興味を持つ。
新薬開発を多くの企業に断られながら、粘り強く交渉を重ねる。 

「男は30を過ぎたら自分の顔に責任を持たなければならぬ」とか言う。
もちろん、それは男に限らない。
毎日の表情が、私たちの顔を彫刻していくからである。

ということは、私たちにもチャンスがあるということだ。

ノーベル賞を取るチャンスのことではない。

76歳になった時に、若い時よりも美しい顔を持つチャンスである。 

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