異文化ガイド

異文化について、英語、フランス語について書いています。フランス、ベルギーで15年以上暮らし、出会った人、見聞きしたこと、考えたこと。

カテゴリ:ヨーロッパ歳時記 > イースター

cafe-tullys-paques

コーヒーの中の虹色の泡。
窓の外の若葉。
復活祭。

tree-paques


今日はイースター。

最初は庭に卵を隠そうかと思いましたが、スズメバチらしきものがしきりと飛んでいたので、室内で。

家の中でも十分楽しめます。

子どもがまだ小さいときは、卵をレゴのお家の中に置いたり、縫いぐるみに持たせたりしたものですが、今回はも少し大人っぽく。

easteregg-house

準備ができたら子どもを呼びます。

おやつの時間には、チョコレートでもう一回遊ぼうと思います。

キリスト教では、復活祭(イースター)の前に四旬節(レント)と呼ばれる期間があります。
かつてキリスト教国では、四旬節の間、肉や卵、乳製品などを食べないことになっていました。
お祝いごとも控えていました。
キリストの断食や受難に少しでも与るためだったのですね。

四旬節に入る前に卵や乳製品をたっぷり食べてお祭りをするのが、カーニバル(マルディグラ)そしてパンケーキの日でした。

といっても、ニワトリは四旬節の間も卵を産み続けるので、イースターになると卵が貯まっています。

それを贈りあったことから、今でもイースターに卵が出てくるのですね。
そして、贈り物だからきれいに飾ったのでしょう。

もちろん、卵は中に命が入っていることから、キリストの蘇りを象徴するものでもあります。

ただ、春の喜び自体は、イエスが誕生するずっと前、原始の頃からあったにちがいありません。

フランス語で復活祭(イースター)は Pâques 、複数形です。
複数形になっている理由の一つは、キリスト教に先立つユダヤ教も同じ時期にお祝いをしていたので、二つのPâque があるからです。
ユダヤ教では出エジプトを記念するお祭りでした。

では、英語のeasterはどこから来ているかというと、キリスト教ともユダヤ教とも関係のない古代の女神の名が語源だそうです。

人々は、キリスト教が生まれる前から、冬を死んだ季節ととらえ、春を蘇りと感じていたのですね。

復活祭の祝い方も、複数あっていいのかもしれません。


関連記事
イースターはいつ何をするの?
パンケーキの日、フランスでは仮装の日




 

easter-egghunt


もうすぐイースター。
イースターの日曜日、2017年の今年は4月16日です。 

日本ではバレンタインデーにチョコレートがたくさん売れますが、欧米でチョコレートがたくさん売れるのはイースター。
特に子どものいる家庭はどっさり買い込みます。

ショコラティエだけではなく、スーパーでもたくさんのメーカーが売り出していて、値段もピンからキリまで。

イースターといえば、昔はゆで卵と決まっていました。
今でもホンモノの卵を使う人もいます。
きれいに飾ったイースターエッグは楽しいですね。

でも、今人気があるのは卵型のチョコ。
鶏卵くらいの大きさのものもあれば、ウズラの卵くらいのもあります。
他にも、イースターバニーやニワトリ、ひよこ、教会の鐘の形のチョコもよく見られます。

子どもたちは何歳になっても「タマゴ狩り」が大好き。
隠すのがチョコレートでも、やっぱり「タマゴ狩り」と言います。
イースターの日曜日、庭や公園の木の上などに大人が隠し、子どもが探します。

ヨーロッパではかつて、教会の鐘が卵を持って帰って来るんだよ、と子どもたちに語り聞かせていました。
なぜ鐘?

イースター前の木曜日は最後の晩餐にあたります。
翌日イエスは処刑されました。
イエスの死を悼み、教会の鐘は木曜日から沈黙します。

鐘が鳴らないのはローマに飛んで行ったからだよ、イースターに卵を持って帰ってくるのさ、ほら、庭に行ってごらん、鐘が卵を置いていったよ・・・

このお話、今ではヨーロッパでも、サンタクロースのお話しほど有名ではありません。

それでも、 キリスト教にとってクリスマスより大事なのがイースターです。
クリスマスがイエスの誕生を記念するなら、イースターはイエスの復活を記念するもの。 
野や庭に新芽が吹き、再び花が咲き始める春、命の蘇りを喜び祝う行事がイースターです。
 

このページのトップヘ