前にも書いたが、ミア・ファローは1980年代にウディ・アレンと出会う前から女優として高い評価を得ていた。
ウディ・アレン監督にスターにしていただいたわけではない。
1960年代の終わりから70年代にかけて、『ローズマリーの赤ちゃん』『ジョンとメリー』『華麗なるギャッツビー』などの話題作に出演。
忘れ得ない印象を残している。
舞台女優としても活躍している。
ウディ・アレンと一緒に仕事をするようになってからも、ある時はコミカルな美女、ある時は色気ゼロの女、ある時はおバカ、またある時は誠実な精神科医と、演技力を発揮した。
役柄の幅は広いが、器用という感じはしない。
何でも徹底的にやるので、つい引き込まれる。
シリアスな『セプテンバー』で感情を爆発させる時など、心を踏みつぶされた少女のように見え、胸を突かれる。
全ての役柄で説得力があるのはさすが。
アレンはさぞかし重宝したことだろう。
が、彼女の作品として私が一番好きなのは、 1972年の『フォローミー』という小品である。
堂々たる名作でもないし、話題作でもない。
佳品というのが相応しい一粒の真珠のような作品。
元々は舞台作品で『パブリックアイ』というタイトルだったらしい。
監督は『第三の男』や『堕ちた偶像』で知られるキャロル・リード。
『第三の男』で音楽が印象的だったように、『フォローミー』の音楽も耳に残る。
共演は『屋根の上のバイオリン弾き』のトポルで、とてもいい味を出している。
以前の記事で、ウディ・アレンは若い女性に色々教え込むのが大好きなんだろうと書いた。
奇しくもこの映画のヒロインは、夫が先生ぶるのにウンザリしてしまった女性。
愛に溢れたエンディングで心が暖まる。
これからも、作品に恵まれてほしい。
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